人は丸まって生まれ 丸まって死んでゆく
この言葉は、もうずいぶん昔に受講して下さった、介護施設を経営されている方がおっしゃっていたものです。
赤ちゃんは丸まった状態で生まれ、もちろんまだ歩くことはできません。
それがどんどん筋力がつき、背筋をまっすぐにして立つことができるようになります。
でもまたそこから年齢を重ねるにつれ筋力が落ち、背中が曲がってきます。
その方がおっしゃるには、麻痺のある方々も手や身体が丸まっていく傾向にあるので、介護者は意識的に丸まった手や身体を広げて伸ばしていくのだということでした。
以前から「姿勢は人間の若さや健康を表すもの」だとは思っていましたが、その言葉を聞いて更に腑に落ちたというか納得することになりました。
姿勢良く立つことがトレーニングになります
意識的に、背中や腰を丸めずまっすぐに立つことが重要なのですが、気がつくとどうしても丸まっていたりしますよね。
それはなぜか?
それは、身体をまっすぐに立てておくための筋肉が弱っているからです。
弱っているから丸く姿勢が悪くなり、その悪い姿勢を続けることで更に筋力が落ちるという悪循環に陥ります。
しかし筋力をつけると、良い姿勢を保つことが簡単になっていき、またそれ自体がトレーニングになるという良い循環が生まれます。
姿勢は 精神面にも影響を及ぼします
良い姿勢でいることは、スタイルアップやコリや痛みの改善に効果的であるだけでなく、精神面にも大きな影響を及ぼします。
丸まった姿勢でいると呼吸も浅くなり、自律神経のバランスが崩れてネガティブな精神状態になりがちです。
つらい時に胸を張る気になれないのは当然と言えば当然なのですが、少しだけがんばって姿勢を正してみると、それだけで楽な気持ちになることもあります。
気分転換にお出かけをしたとき、身体をうごかしたときなどに、そのような気持ちを実感された方も多いのではないでしょうか。
このような心と身体の関係は「身体心理学」として論理的にも証明されています。
骨盤を立てて 良い姿勢を保ちましょう
良い姿勢を保つためには様々な筋肉が関わってきますが、まずは「骨盤を立てる」ということを意識して下さい。
これは骨盤を「ニュートラルな状態に保つ」ということを意味します。
骨盤が前にも後ろにも傾いておらず、ちょうど真ん中(ニュートラルな状態)にあること。
更にその状態からスムーズに前にも後ろにも倒れるようなしなやかさ。
骨盤がそのような状態であれば、骨盤から繋がる下半身も上半身も理想の曲線を描く…つまり、良い姿勢を保つことができます。
丸まって生まれ丸まって死んでいくのが人間かもしれませんが。
その間の期間はできるだけ骨盤を立て、胸を張り、良い姿勢で。健康で、美しく、前向きに生きていきたいですね♪